それでも結婚しようよ。

d:id:MASASCIANTE:20080827の続き。あー、楽しい。 他者(今回の場合相手の両親)を一切手段視しないような人間関係が構築可能か との問いには、カントの言葉を出すまでもなく、「無理だ」と答えよう。 なぜ親の承諾が必要なのか?…二人だけでは結婚できない…

結婚しようよ。

これまでの経緯。 なぜ親の承諾が必要なのか?…二人だけでは結婚できない現状に [セカイの中心ははてな][今日も平和なはてな村][賞味期限切れのプリン]援助してもらいたいなら相手の親に頭下げて気分良くさせとけ、としか読めない。承諾云々じゃなくて、相手…

かいものがれ、俺らのせぇると。

1件目と2件目は省略。 3件目。こんもりと積み上がってる布切れの山から、適当に引っ張ったら、この布がペラッペラで、こりゃペラッペラだなぁとか思って摘まみ上げながら天にかざしてると、ロンゲのあんちゃんが「この生地の風合いが繊細で…」なんてもにょも…

星野智幸『ファンタジスタ』を読んだ。

きょうも依然としてユニフォームなし。本当にこのままビブスをユニフォームにしてしまえばいいのだ。アルゼンチンの名門クラブ、リーベル・プレイトは、創設当時、目印に赤いタスキを掛けていたのがそのまま、白地に赤い斜めの帯が走るといういまのユニフォ…

島本理生『ナラタージュ』を読んだ。

今でも呼吸するように思い出す。季節が変わるたび、一緒に歩いた風景や空気を、すれ違う男性に似た面影を探している。それは未練とは少し違う、むしろ穏やかに彼を遠ざけているための作業だ。記憶の中に留め、それを過去だと意識することで現実から切り離し…

本谷有希子『生きてるだけで、愛。』*1を読んだ。

「……電気」思い出したように立ち上がった津奈木の背中を見上げながら、「あんた、ブレーカーあげるために停電にしてるわけじゃないよね」とあたしは尋ねた。津奈木は少しだけ考えたあと「そんなややこしいことしない」と静かに言い切った。 当たり前だ。 ク…

吉田修一『りんご』*2を読んだ。

ふと沈黙が流れて、「上で、知り合いが待ってるんです」と、唐突に二人に告げた。訊かれたわけではなかったが、観光名所の行列に一人で並んでいる自分を紹介するのに、一番てっとり早いような気がした。 実際にはビクトリアパークで待っている知り合いなどい…

金原ひとみ『ハイドラ』*3を読んだ。

「そんなに簡単に、簡単な人間に戻れると思いますか?」 「簡単な人間って言い方はどうかと思う」 「楽しい事を楽しい事と感じたり、悲しい事を悲しい事と感じたり、腹立たしい事を腹立たしいと感じたり、そういう一足す一は二、っていうような人間の事です…

島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』*4を読んだ。

明日を飲み込んでくれる熊などいないことも、手軽な希望などないことも、知っていた。それでもここからまた一つずつ積み上げていくしかない。生きるというのはそういうことなのだろう、たぶん。 私は枕元のライトに手を伸ばした。 すべての明かりが消えてし…

id:i_oritaさんへの書簡の続きの続きを超えたなにか。

みんながんばれ。 もう個人的な話に終始しよう。id:i_oritaさんも議論から降りたところで語ってんだから。 id:i_oritaさんの そりゃさ、言い切らなきゃいけないんですよ。闘いだから。正義を押しつけなくちゃいけない。 って言葉を何度も読んでたら、僕に僕…

id:i_oritaさんへの書簡の続きの続き。

たからばこはからっぽだった。 「えー、そんなの、勝手に義務(=「べき」)にされたかないね! そんな余裕ないしー」っていう話は、id:keya1984さんが言うところの「強者/弱者」論とも(端々では絡むけれど)違って、最後は「べき」論の是非を問うことにな…

id:keya1984さんへの書簡というほどではないなにか。

マドハンドはなかまをよんだ。 d:id:keya1984:20070305とかコメント欄を読んで、まずその一。僕もid:i_oritaさんも、id:keya1984さんがいうところの大枠の話(僕はそうは読まなかったけど)である 「ごめんなさい」のひとことが大事じゃん とか、 「発達障碍…

id:i_oritaさんへの書簡の続き。

じゅもんつかうな。 うーんと、噛み合ってないって言われちゃったりで、ぐだぐだなままで。 (1) 弱者に弱さを振りかざされた、と感じるなら「弱者に弱さを振りかざすな」というのではなく、強者の側がどう対応するのか考えろ、ということ このとき「強者」…

id:i_oritaさんへの書簡。

ガンガンいこう、ぜ? d:id:i_orita:20070225(呼ばれて振り向くサバイバー「弱者でごめんなさい」)で僕が違和感を覚えたのはここ。 要するに、「障碍者に差別と言われたら黙らなければならない」という価値観を、言われる方は内面化しているから、障碍者(…

古川日出男『LOVE』を読んだ。

『LOVE LOVE LOVE』じゃロックンロールは歌えないだろ? おれは言う。ゼロ地点での演奏会は続いた、と。カナシーがリクエストしたのだ。わずか二回の応答で、それは決定された。 「一曲だけじゃないでしょう?」 「なにが?」 「ロックンロール。自作の」と…

舞城王太郎『阿修羅ガール』を読んだ。

私の目の前に広がっていた森には肉を喰らう怪物がいるという伝説があったのですが、その先へ進まないことにはお家に帰るしかありませんでしたし、お家には僕の机も、料理も、ベッドもなかったような気がしていましたから、隣にいた女の子と一緒に森へ進んで…

佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』を読んだ。

「黙れ!」僕は叫んだ。そして血で濡れた床を血だらけの拳で思い切り叩いた。「何なんだお前達は」憎しみよりも何よりも、この理不尽さに腹が立っていた。「人の物語に土足で入りやがって……。これは僕の話だ、そうだろう! 勝手に入って壊すなよ!」 「それ…

舞城王太郎『熊の場所』を読んだ。

まー君の精神の暗がりを、僕はほんの少しも現実的には想像してはいなかったのだ。僕がその後で本当に見つけたものは、もっとずっと地味でシンプルで、もっとずっと暗くておぞましいものだったのだ。 ──舞城王太郎『熊の場所』 僕がこの小説を語るとき、それ…